
織部ヒルズの住人たち – Felice~フェリーチェ~/藤田陶器株式会社
「8」が生む暮らしの幸せ 「Felice~フェリーチェ~」 藤田陶器株式会社
創業77年の藤田陶器株式会社。「丸八(まるはち)」の名で陶磁器卸売業を中心に展開してきた会社です。
その会社の中に、自分の世界観が散りばめられた場所を作りたい!と社長就任後から大改装を行い、ついにはキッチンスタジオを併設させた店舗をオープン。
器を通して暮らしを体験できる空間を作り上げたのが、3代目社長の藤田裕子さんです。

織部ヒルズ陶器市実行委員会の委員長でもある藤田社長。柔らかな物腰と笑顔が素敵な女性ですが、ひとたび口を開くと「小さい頃からお父さんの会社の社長になると決めていた」「この会社は仕事ではなく人生そのもの」「好きなものに囲まれていたい」と、熱い想いを持っているお人柄だということがわかります。
その原動力のルーツは、愛情深かった今は亡き先代のお父様にあります。


振り返ると無謀ともいえた自分の挑戦を、何も言わずに見守ってくれた父に、尊敬の念と深い愛情を抱きながら、10年以上の歳月をかけて、幸せ溢れる自分らしい店「Felice」の今の形を作り上げてきました。
今回は、陶器市にかける想いやFeliceのことについてお伺いします。
毎日の暮らしに小さな喜びを届ける
業務用食器を中心に、家庭でも楽しめる器や雑貨を取り扱っている藤田陶器株式会社は、2009年に敷地内に店舗「Felice」をオープン。インテリアから展示商品まで、「オトナ女子のためのうつわ」と言葉がしっくりくるセンスのよい器や雑貨が並んでいます。
藤田社長が器選びで大切にしていることは「ときめき」と「使いやすさ」のバランス。見た目の美しさだけでなく、実際に使うシーンを想像して、暮らしに馴染む使いやすいものをセレクトするといいます。
それはオリジナル商品を企画する際にも変わりません。訪れた際にぜひ手に取ってみてほしいのが、落ち着いたアースカラーの「結花(ゆうか)」とヴィンテージ風の「Rin花(りんか)」。和の伝統を受け継ぎながら現代風にアレンジされた結花と、Feliceの裏テーマ「カッコかわいい」を体現したRin花は、藤田社長イチオシのシリーズです。


陶器市期間だけに集まる作品たち
普段は自社製品のみを取り扱っていますが、陶器市ならではの楽しみも。それが、イベント出店で全国行脚する藤田社長が出会った、各地の作家さんたちの作品です。
アクセサリー、革製品、焼き菓子、ドライフラワーとジャンルはさまざまで、期間中にしか出会えないものもあります。Feliceのお皿をアクセサリーにした陶土ブローチやアンティークレースをあしらった陶土イヤリングも、この期間にしか手に入らない限定品です。
大好きな言葉を焼き付けたオリジナルミニチュア陶器ガチャも店内に設置され、「好き」の引き出しが多い、ときめき満載のお店です。
「推し活」と「仕事」をリンク 自分が楽しめる陶器市
「自分を元気づける一番の方法は、誰かを元気づけること」というマーク・トウェインの言葉を座右の銘にしている藤田社長。「自分が楽しまなくては、来てくれるお客さまは楽しくない!」と話し、「推し」「好き」「仕事」を最大限にかけ合わせて陶器市に臨みます。
器は暮らしを豊かにすることを、地元の若い世代や器に興味のない人にも、陶器市を通じて知ってもらえればと、織部ヒルズ内でイベントを企画。恒例の体験イベントをはじめ、自身が感銘を受けたアーティストを招いたステージや、ゆるキャラ「志野田茶太郎」と地元高校吹奏楽部のコラボコンサートなどを開催します。
「いいと思ったら、考えるより先に行動してしまう。見切り発進タイプなんです」と笑う藤田社長。その行動力は周囲にも影響を与え、気づけば幸せの渦に巻き込まれているようです。
うつわを通じて「ヒト」や「未来」と繋がる
「このお店の器が可愛くてまた来ました」「Feliceさんの器が大好きです」と言ってもらえることが何よりの励みになるという藤田社長。自分の好きは誰かの好きにつながっているという想いのもと、土岐市のうつわをつなぐ取り組みを仲間と企画してきました。
昨年秋から始まった「うつわさがし」は、「土岐市全体がつながる陶器市」というコンセプトで4か所の陶器祭りを同日開催する大きな試み。誰の暮らしにも登場する「うつわ」を通して文化や人をつなげ、地域の未来を活性化したいと願っています。
いちばんの“沼”は社長自身 〜来たれ!「8」好きマニア〜
土岐というやきものの地で生まれ育った藤田社長にとって、陶磁器や会社は血肉でありアイデンティティ。さらに「8好きマニアな人に来てほしい」と語るほど、数字の8への愛も深く、店舗内には「八」が隠れています。
作り手・売り手・買い手が手を取りあい、みんなで育てていける場所を作るためには、まず自分自身がわくわくできることが大事。次なる野望は「織部ヒルズで8が溢れるカフェ併設の雑貨店を開く」ことだそうです。
センスの良い器が並び、沼にハマりそうなお店ですが、最大の沼は藤田社長自身。チャーミングな笑顔と器愛にあふれる藤田社長に会いに、ぜひFeliceへ。
Felice~フェリーチェ~/藤田陶器株式会社
所在地:岐阜県土岐市泉北山町2丁目4番地
Instagram:@felice_oribehills
※陶器市期間中の詳細イベント情報は、織部ヒルズ公式Instagram・HPでも随時更新中!