カク仲(くうかん陶四季)

織部ヒルズの住人たち – くうかん陶四季/株式会社カク仲

「和食器」に出会う場所 お気に入りの一枚が見つかる 「くうかん陶四季」

道の駅 志野・織部から最短直結ルートで上がってくると、店内の中心にレイアウトされたスパイラル状のスロープに沿って展示された器たちが迎えてくれます。

明治18年創業の老舗「カク仲」が手がける和食器専門店「くうかん陶四季」は、プロの料理人から家庭使いまで、あらゆるシーンに寄り添う和食器がそろう場所です。

今回お話を伺ったのは、7代目社長の弟さんでもある白石竜久さん。実は和太鼓の奏者でもあるという白石さんの落ち着いた語り口のなかに、器への深い愛情と“使う人の目線”が感じられました。

くうかん陶四季/株式会社カク仲

和食器の魅力まるごとここに。使いたくなる、かたちと色が見つかる

店内の棚に並ぶのは、どれもが手に取りやすく、日常使いにぴったりな器ばかり。

「流行よりも、長く愛される器を届けたい」――その想いのとおり、飽きのこない形や色合いの器が整然と並び、どこかほっとする雰囲気が店内に漂います。

「陶四季」という屋号は、「四季に寄り添いながら器を選ぶ楽しみ」という想いを込めて、父である先代が名付けたんです、という白石さん。

店頭の棚を見ると、お皿、茶碗、どんぶり、小鉢、まさに和食器のオールスター。しかもどれもが手に取りやすい価格帯。日本一の生産量を誇る美濃焼の魅力を、余すことなく伝えています。

くうかん陶四季/株式会社カク仲

初めての人は驚く「蔵出し価格」と「圧巻の品揃え」

「まず品数に驚かれますね。そして、値段に二度びっくりされることが多いです」と笑う白石さん。

わざわざ来てくださるお客さんに少しでも喜んでもらいたいと、すべての商品を直営店ならではの蔵出し価格で提供。

定番サイズから、思わず「探してた!」と言いたくなる絶妙サイズの器まで、小ぶりの鉢や角皿、長皿など、どれも選ぶ楽しみにあふれています。

その品揃えの背景には、140年以上にわたり築いてきた、窯元やメーカーとの信頼関係があります。器づくりの現場と直接対話を重ねてきたからこそ実現できる、これがカク仲の強みのひとつです。

流行や派手さよりも、料理が美しく映えること、長く使いたくなる器であること。その視点で選び抜かれた器たちは、暮らしの中に溶け込み、愛着のある一枚となっていくに違いありません。

季節のうつろいに合わせた器を選ぶ時間を楽しむ。これほどの品揃えでありながら、広々した空間に整然と陳列されているおかげで、気持ちよく器選びができるのも嬉しいポイントです。


「器を通して、暮らしに“自分の色”を足してほしい」

「これは和食っぽすぎるかな?」「普段づかいには…?」と悩んだときは、白石さんやスタッフに聞いてみるのも手です。

「悩んでもらえるのが一番うれしいです。それだけ真剣に器を見てくれているので」と話すその表情は本当に楽しそうで、必ず親身になって相談に乗ってくださること間違いなしです。

食に費やす時間は、自分や大切な人と向き合う時間だという白石さん。その中で必ず登場する「器」は、その時間に寄り添う大切なアイテムです。

ひとつの形状に対して、色違いや釉薬の違い、縁の立ち上がりまで含めて数十種類を揃える理由は、お客様一人ひとりの“感性”に応えるためでもあり、自分と向き合う時間を大切にしてもらうため。

だからこそ、自分に合う器が見つかるようにあえてラインナップを絞り込まない。器選びは自分と向き合う時間でもある――そんな気持ちになります。

また、同じ工程で作られた器でも、ひとつひとつに個性があるため、「表情のある器」を大切にしています。ちょっとした濃淡や釉薬の流れ、焼きの加減――そういう“表情”こそが和食器の本来の良さであり魅力です。

整いすぎない美しさ、日々の食卓でふと目が合うような親密さ。器に“人の手の余韻”を感じられるような一枚を、自分の暮らしに「色を足す」感覚で探しに来てほしいといいます。

くうかん陶四季/株式会社カク仲

陶器市では「うつわの宝探し空間として楽しんで」

秋の陶器市は、店内全体がちょっとしたうつわの宝探し空間に。蔵出し品も多数登場し、ゆっくりじっくり手に取りながら選べる絶好の機会です。

白石さんも店頭に立たれているので、迷ったときはぜひ声をかけてみてください。

「“かわいい”“悩む~”って言葉が聞こえたら、ついしめしめって思っちゃうんです(笑)」――そう言って微笑む姿は、お客様のことを第一に考えた品揃えをしているからこそ。

店内の一角には、現会長(白石さんのお父さま)が長年にわたって集めてきた秘蔵の器たちも展示されています。もう手に入れることができない一点ものもあり、まさに器好きにはたまらないエリア。眺めているだけでも、時がたつのを忘れてしまうかもしれません。


“どんな使い手”の感性にも応える店 表情のある器と出会おう

取材当日にも、若いカップル数組が真剣に器を選んでいる姿がありました。

季節を感じる器、毎日のごはんをちょっとだけ特別にしてくれる、そんな器との出会いがきっと見つかる――そう思わせてくれるお店です。

秋の陶器市では、白石さんと和食器談義を楽しめるかも。器の見方や、楽しみ方が変わるかもしれません。


くうかん陶四季/株式会社カク仲

所在地:岐阜県土岐市泉北山町3丁目

アクセス:道の駅「志野・織部」より徒歩約2分

Instagram:@kukan_tousiki

公式HP:https://tousiki.com/

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