三郷陶器株式会社

織部ヒルズの住人たち – 三郷陶器株式会社

つくる。届ける。広げる。三郷陶器株式会社

洋食器メーカーとして1923年に創業した三郷陶器株式会社は、90年以上にわたって時代の変化に寄り添いながら、新しい食器文化を切り拓いてきた歴史を持ちます。

アメリカ向け輸出食器製造を経て、1957年にはいち早くディズニーキャラクター食器を販売、その後メラミン、琺瑯と、時代の変化と共に新素材による開発に取り組み、「デザインの三郷」と称されるほど、独自の感性と創造力で注目を集めました。

現在は、柱のひとつでもあるブライダルギフト販売を継続しながら、和洋中、キャラクター食器をはじめ、キッチン雑貨や生活雑貨などの企画販売を手がける総合商社として、さらに進化を続けています。


新たなリズムを刻む11代目の船出

三郷陶器の代表を務めるのが、11代目の加藤衛治社長です。爽やかな笑顔と軽快なテンポでお話しされる加藤社長は、2年前に就任されたばかりの新しいリーダーです。

「いままでやってこなかったことを、あえてやってみたいんです」

三郷陶器株式会社

そう語る加藤社長は、大学卒業後、中国に渡り陶磁器企業に勤務、12年間の海外経験を経て三郷陶器に入社しました。

三郷陶器が取り扱う商品は和洋中の食器はもちろんのこと、大きな特徴のひとつが、幅広いキャラクターラインナップです。

これまでも数多くの人気キャラクターを展開してきましたが、加藤社長の就任後には、『アルプスの少女ハイジ』や『鉄腕アトム』をはじめとする手塚キャラクターズなど誰もが知る作品や、ブランド復活で人気に火が付いた『スイマー』などのライセンス商品を手がけました。

商品企画は、お客さまの声や時代の流れを汲みながら、自社デザイナーを中心に進めています。

加藤社長は「デザインの完成度だけでなく、使いたい、手に取りたいとお客さまに思っていただけるかという視点も大切にしています」と話します。

キャラクターの魅力は、親しみやすさ、共感、癒し、そして憧れなど、さまざまです。そして、それは単なる「かわいい」ではなく、時代ごとに人々の心に寄り添ってきた「文化」でもあります。

陶磁器にキャラクターが描かれることで、毎日触れられる存在でいてくれる。うつわに興味のない人であっても、新しい食器の楽しみ方を教えてもらうことができる、それが三郷陶器の魅力です。

三郷陶器株式会社

陶器市では器以外も楽しんで

三郷陶器の魅力は、器に限らない発想力にあります。お箸や弁当箱、ステンレス製品、布製品など、生活全体を彩る、食にまつわる雑貨の開発にも力を入れています。

また近年は、海外向けの輸出商品開発にも積極的で、世界に向けて「暮らしの豊かさ」を発信しています。

「やきものって、難しいことのほうが多い。でも、だからこそ面白いと思うんですよね」

そう話す加藤社長のもとには、“ものづくりの三郷”の精神を受け継ぐ社員たちや、関連工場、自社のデザイナー4名が揃っていて、日々試行錯誤を重ねながら新しい商品開発に取り組んでいます。

デザインの三郷と呼ばれた時代に発表されたシリーズを「サンゴ―・クラシクス」として復刻させたり、人気動物のモチーフを器にしてみる。

とにかく「やってみないとわからない。だからやってみる」という柔軟な姿勢が、三郷陶器らしさを支えています。

陶器市では、キャラクターアイテムをはじめ、最近あたらしく立ち上げたブランド、キッチン雑貨などをお値段以上で販売予定なので、気軽に遊びにきてください、と加藤社長は言います。


生活に楽しみを添える

三郷陶器がこれから目指すのは、単に「器をつくる会社」ではなく、暮らしそのものを提案するブランドであること。

食まわり全体の商品を取り扱いにもその想いがあります。

「20代~30代の女性の方が、興味を持ってもらえるような商品をつくっていきたいと思っています。この業界には、まだまだ面白いことがたくさんありますよ。もっと若い人たちに楽しんでほしいです」

世代を超えて「こんな器があったらいいな」という声をかたちにしていく。

そうすれば、今はまだ器に興味がない人たちにも知ってもらえ、届けることができる。それが産業自体を盛り立てていくことになる。

加藤社長のまなざしの先には、“器の未来”をもっと自由に、楽しく広げていくビジョンが見えていると感じます。


会いに行けるキャラクターの加藤社長

陶器市ではテントを立ててお客さまをお迎えする三郷陶器。
そこで加藤社長に会った方は、きっと思うのではないでしょうか。

「三郷陶器でいちばん魅力的なキャラクターは、実は加藤社長なのでは」と。

親しみやすくて、軽やかで、芯がある――。
取材中の会話の中には、いつも笑顔がありました。
加藤社長の人柄は、どこか三郷陶器の器たちとも重なります。

伝統を大切にしながら時代を読み、新しいことに挑戦する姿勢。その根底あるのは人の力。「誰かの生活をちょっと楽しくしたい」という想いです。

「器をつくる」ことから、「暮らしを届ける」ことへ。

この秋、陶器市でそんな三郷陶器の“今”に、ぜひ触れてみてください。
もしかしたら、あなたの毎日にも、ちょっと嬉しい変化が訪れるかもしれません。


三郷陶器株式会社

所在地:岐阜県土岐市泉北山町4丁目2番地

Instagram:@sangotoki_official

HP:https://sango-toki.co.jp/

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